初恋の人からの手紙

以下全文。


サトル、ひさしぶり。
今でもポニーテールに執着していますか?
「ポニーテールじゃなきゃ女じゃない」と
毎日私に言っていたサトルをなつかしく思います。

泣きじゃくる私にサトルが「好きだけど別れなくてはいけないときもある」
などときれいごとを並べてお別れすることになったあの日から、
もう16年が経ったのですね。
月日が流れるのは早いものです。

お手紙を書いたのは、何か伝えたいことがあるとか用事があるとかではないんです。ただなんとなく学校の前を通ったらなつかしくなって、思いつくままに書いてみようと思い立っただけなんです。ふふ。

今振り返って考えてみると、結局サトルって、私に興味がなかったんじゃないかなぁと思います。
私から何も言わなければ連絡は全然くれないし、私がサトルの財布からお金を盗んでも気付かないくらい。
あのころ寂しがっていた私に、慰めようとして「寂しいなら寂しいと思わなければいいんだよ」
なんて言ってましたね。
今でも子供じみているのかなぁと想像すると少し笑いがこみあげてきます。

そういえば私にとっては9人目の彼氏でも、サトルにとっては初恋の相手なんですよね!今思い出した。
そうそう、最初のころのサトルは
「元カノからまだ連絡がくる。めんどくさい」なんて嘘ばっかり言ってて(笑)。
妄想もそこまでいくかとこっちが恥ずかしくなったものです。

告白するときのサトルは、必死で「一生大事にするから」とか酔っ払ったことを言っていましたね。
とても嬉しかったのですが、お別れしたときには、
やっぱり詐欺だったなぁと思ったものです。
後先考えないところはサトルらしいとも思いました。

恋愛を総括して言えば、きっと私はサトルと付き合うことができてよかったのだと思います。
恋愛から得たものはあまりないけれど、サトルと付き合えるのならば、
今後どんな人とでも付き合えるはずですから。

いろいろ書きましたが、私はサトルが大好きでした。これからもサトルらしさを大切に、
あと盗聴器に興味を持つのをそろそろやめて(笑)、
新しい誰かを幸せにしてあげてください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. よく「おれは爪の白い部分が広い!」って
見せ付けてきましたよね。どうでもいいけど…。」


だって・・・。




なんじゃコリャ!!


http://letter.hanihoh.com/